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大阪地方裁判所 昭和61年(わ)4209号 判決 1987年12月15日

本店所在地

大阪市都島区中野町一丁目九番一九号

松二興産株式会社

(右代表者代表取締役 松下吉松)

本籍

金沢市三社町五番地

住居

大阪市鶴見区諸口四丁目八番一号

会社役員

松下吉松

昭和二年一二月二日生

右の者らに対する法人税法違反、右松下吉松に対する所得税法違反各被告事件につき、当裁判所は検察官長谷川充弘出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人松二興産株式会社を罰金三五〇〇万円に、

被告人松下吉松を懲役二年及び罰金五〇〇〇万円に

それぞれ処する。

被告人松下吉松において、その罰金を完納することができないときは、金一〇万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

被告人松下吉松に対し、この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人松二興産株式会社(以下被告会社という)は、大阪市都島区中野町一丁目九番一九号に本店を置き、同区中野町一丁目一二番一四号において同伴旅館業を営むもの、被告人松下吉松は、被告会社の代表取締役として業務全般を統括するとともに同市都島区中野町一丁目九番一九号において、同伴旅館業を営むものであるが

第一  被告人松下吉松は、被告会社松二興産株式会社の法人税を免れようと企て、同会社の業務に関し

一  昭和五七年六月一日から同五八年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が六三、七七九、六〇九円(別紙(一)修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額は二五、六一二、九〇〇円であるにもかかわらず、収入の一部を除外するなどの行為により右所得の全部を秘匿した上、同五八年八月一日大阪市旭区大宮一丁目一番二五号所在の所轄税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額はなく、納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税二五、六一二、九〇〇円(別紙(五)税額計算書参照)を免れ

二  同五八年六月一日から同五九年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が三八、九〇五、八七七円(別紙(二)修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額は一五、八三七、〇〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により右所得の全部を秘匿した上、同五九年七月三一日前記旭税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が欠損二、一三四、三三三円で、納付すべき法人税はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税一五、八三七、〇〇〇円(別紙(六)税額計算書参照)を免れ

三  同五九年六月一日から同六〇年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が一六七、四九六、四四六円(別紙(三)修正損益計算書参照)(課税土地譲渡利益金額は九一、五一五、〇〇〇円(別紙(四)修正損益計算書参照))で、これに対する法人税額は八八、〇九一、六〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為及び土地などの売却価格を圧縮するなどの行為により右所得の一部を秘匿した上、同六〇年七月二九日前記旭税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四〇、七一五、〇五二円、課税土地譲渡利益金額が三〇、〇五四、〇〇〇円でこれに対する法人税額が二〇、九九八、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税六七、〇九三、二〇〇円(別紙(六)税額計算書参照)を免れ

第二被告人松下吉松は自己の所得税を免れようと企て

一  昭和五八年分の所得金額が六六、九九二、七九七円(別紙(七)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額は三二、一六七、三〇〇円であるにもかかわらず、収入の一部を除外するなどの行為により右所得の全部を秘匿した上、同五九年三月一四日大阪市城東区中央二丁目一三番二三号所在の所轄城東税務署において、同税務署長に対し、課税される所得金額はなく、還付を受ける源泉所得税額が三、一六八、二四〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税三五、三三五、五〇〇円(別紙(九)税額計算書参照)を免れ

二  同五九年分の所得金額が二〇二、九七四、四五二円(別紙(八)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額は一二六、四七〇、六〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により右所得の一部を秘匿した上、同六〇年三月一五日前記城東税務署において、同税務署長に対し、同五九年分の所得金額が三六、七七〇、一二三円で、これに対する所得税額が一三、一七六、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税一一三、二九四、四〇〇円(別紙(一〇)税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告会社代表者兼被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の被告人に対する各質問てん末書

一  小林吉子、松下澄江、松下年明、松田茂登子、水川朝子及び松下秋子の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の昭和六一年二月一〇日付、同年三月三日付、同年二月一八日付(三)、同月二八日(一)、(二)各査察官調査書

判示第一の一ないし三の各事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年二月一八日付(一)、昭和六〇年一二月二六日付(一)、昭和六一年一月一〇日付(一)、(二)、(三)、同年三月一五日付各査察官調査書

一  収税官吏作成の昭和六〇年一〇月八日付写真撮影報告書

一  法人登記簿謄本

一  旭税務署長作成の証明書(三通)(いずれも法人税確定申告書写添付のもの)

判示第一の一の事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年二月一九日付査察官調査書

判示第一の三の事実につき

一  矢島和春の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の昭和六一年三月三日付(一)、同年二月二七日付各査察官調査書

判示第一の三、第二の二の各事実につき

一  森田弘の検察官に対する供述調書

判示第二の一、二の各事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年二月一八日付(二)、昭和六〇年一二月二六日付(二)、昭和六一年一月一〇日付(四)、(五)、(六)、同年三月一五日付(二通)各査察官調査書

一  収税官吏作成の昭和六〇年一〇月五日付写真撮影報告書

一  城東税務署長作成の青色申告書提出の承認申請取消証明書

一  城東税務署長作成の証明書(二通)(いずれも所得税確定申告書写添付のもの)

判示第二の一の事実につき

一  収税官吏作成の昭和六一年三月三日付(二)、(三)各査察官調査書

判示第二の二の事実につき

一  武田直也の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の岩井弘州に対する質問てん末書(二通)

一  収税官吏作成の昭和六一年三月七日付査察官調査書

(法令の適用)

(一)  被告会社

判示第一の一ないし三の各所為

法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項

(二)  被告人松下吉松

判示第一の一ないし三の各所為

法人税法一五九条一項、二項(懲役刑と罰金刑を併科)

判示第二の一、二の各所為

所得税法二三八条一項、二項(懲役刑と罰金刑を併科)

併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(懲役刑につき犯情の最も重い判示第二の二の罪の刑に加重)、四八条二項(罰金刑につき)

労役場留置 刑法一八条

執行猶予 刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 七沢章)

別紙(一)

修正損益計算書

松二興産株式会社 No.1

自 昭和57年6月1日

至 昭和58年5月31日

<省略>

別紙(一)

No.2

<省略>

別紙(一)

No.3

<省略>

別紙(二)

修正損益計算書

松二興産株式会社 No.1

自 昭和58年6月1日

至 昭和58年5月31日

<省略>

別紙(二)

No.2

<省略>

別紙(二)

No.3

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

松二興産株式会社 No.1

自 昭和59年6月1日

至 昭和60年5月31日

<省略>

別紙(三)

No.2

<省略>

別紙(三)

No.3

<省略>

別紙(四)

修正損益計算書(土地譲渡に係る譲渡利益金額計算書)

(松二興産(株))

自 昭和59年6月1日

至 昭和60年5月31日

<省略>

(注)1 「<1>」欄の貸方の各金額は、それぞれ別紙(三)の「<1>」欄の貸方の金額である。

2 「<2>」欄の借方の公表金額は、別紙(三)の「支払利息」欄の借方の公表金額のうち土地の譲渡のために要した負債利子の額である。

3 「<3>」欄の借方の各金額は、それぞれ別紙(三)の「<2>」欄の借方の金額(ただし、公表金額及び差引修正金額には、それぞれ80円の差異がある。)である。

なお、この80円の差異が生じた原因は、土地譲渡費用について、土地譲渡利益金額の算定に当たっては端数まで計算し、損益計算書への表示に当たってはその百円未満の端数を切り捨て、その端数を建物譲渡費用(別紙(三)の「<3>」欄)に含めたことによるものであり(本件は土地建物の一括譲渡であるため、当該一括譲渡のために要した経費の総額から土地譲渡費用を控除した残額が建物譲渡費用となっている。)、その差異が公表の所得金額に影響を及ぼすことはない。

別紙(五)

税額計算書(松二興産株式会社)

<省略>

別紙(六)

税額計算書(松二興産株式会社)

<省略>

別紙(七)

修正損益計算書

松下吉松 No.1

自 昭和58年1月1日

至 昭和58年12月31日

<省略>

別紙(七)

No.2

<省略>

別紙(七)

No.3

<省略>

別紙(八)

修正損益計算書

松下吉松

自 昭和59年1月1日

至 昭和59年12月31日

<省略>

別紙(八)

No.2

<省略>

別紙(八)

No.3

<省略>

別紙(九)

税額計算書(松下吉松)

<省略>

別紙(一〇)

税額計算書(松下吉松)

<省略>

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